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シルバーブルーム(SILVER BROOM)十勝/帯広の経営コンサルティング事務所

タップバックマネジメント

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診断北海道の広報誌Vol.42に「タップバックマネジメント」に関する記事が掲載されました。字数が限られているので簡単な内容となっていますが。興味のある方は読んでいただけるとうれしいです。

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今年の更新研修講演の最後に、AIによるサムライ業の代替可能性を紹介しました。弁理士92.1%、行政書士93.1%、税理士92.54%、社労士79.7%の中、中小企業診断士は0.2%です。つまり、中小企業診断士は、AIに代替される可能性がとても低いということです。
 これをどのように捉えたらいいのでしょうか?ちょっと安心、なのでしょうか?私は、このデータを見たときに、やっぱりという思いと、とても危機感を感じました。なぜか?
 我々コンサルタントは、企業にアドバイスをするとき、今までの経験や類似会社の前例、ケーススタディ等を参考に話すことが多いと思います。しかし、このデータから分かるのは、業種や状況が同じだったとしても、会社によって最適解は違うということを意味しています。日本には380万社の会社があり、そのうちの20%は10年以上黒字を続けている会社です。そのほとんどが中小企業ですが、その約76万社のデータをAIに入れ、こちらからコンサル対象のデータを入力すれば、なにかしらの回答がでてくると思います。でも、それは全く意味がないんだということをこのデータは示しています。
 となると、われわれがこれまでやってきたコンサル手法は、あまり役に立たないのかもしれません。これは、相当なインパクトです。いってみれば、MBA的なマネジメント手法は必ずしもコンサルした会社を幸せにはできないと言っているわけですから。
 私自身は、このデータが発表される前から、実際の経験通じて、ベンチマーキングをはじめとする様々なマネジメントツールはそれほど効果がないのではと思ってきました。とくに小規模企業にとってはそうです。もちろんそれらが、全く効果がないということではありません。買いかぶり過ぎはよくないのではと感じているのです。
 じゃ、私がコンサルする時に、どのようなことを意識しているかというと、対象企業の社長に「気づき」をいかに与えることができるかです。私がアドバイスした中から、社長自身が、その会社に合った実践的な知恵を見出すことができるかどうかです。結局、その会社が向上するには、社長が本気になってやる気をみせられるかどうかにかかっています。私ができるのは、その社長の肩を、ポンと押すことです。私はこれを「タップバックマネジメント」と呼んでいます。
 「タップバック」とは、カーリング競技で使われる言葉です。自分のストーンをちょっとだけ押して、有利な位置に持っていくという高度な技術です。私は会社のマネジメントにおいても同様で、社長の肩をちょっと押して、その企業がさらに向上できるようにするということに注力しています。そしてその時に重要なのは、私たちが大好きな様々なマネジメントツールを活用するスキルではなく、社長のハートに火をつけるコミュニケーション能力なのではないかと思っています。
 会社を一番よく知っているのは、その会社の社長です。社長が、私たちのアドバイスの中からヒントを得て、自分の経験や持っている情報・知識と対話し、気づき、行動までもっていけるかどうかに、会社のレベルアップはかかっているのです。
 その会社に合ったマネジメントというのは、実際の経験を通じてしか学べないし、最も強力な学習は、経験を通じて、気づくことによって実現できるのだと思います。そしてそれは社長にかかっているんだということを、このデータは示しているのだと思います。

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